官民において、人の育成が活況になっているようなニュースが目に付くようになっています。
政府が学び直し支援に予算を割り当てるというのは良いことだと考えますが、その予算が有益に使われるかには疑問があります。
自分が義務教育を受けていた際には、ほとんど意識していませんでしたが、義務教育というのは実は学び方を身につける場だったのだと今は考えます。
義務教育で学び方が身についていれば、特に政府が学び直しに予算を投じなくても必要だと感じる人は自ら学んでいることでしょう。
先日私はコツコツと勉強するのが苦手だということを書きましたが、それでも勉強していないわけではありません。
単純に、勉強時間だけを比較すると学生時代は勉強することが仕事のようなものであったため、学生時代の方が勉強時間は今と比べると長かったですが、能動的にやる勉強は明らかに今の方が学生時代よりも長くなっています。
そもそも学生時代は、自己啓発本なんて買いませんでした。
せいぜい受験用の参考書にはまって物理とか数学の参考書を買い漁った時期があるくらいです。
まぁ、ここで参考書を買って満足する気質は今でも健在ですが・・・
そうやって購入した本は積読状態のものもあれば、しっかり読んでいるものもあります。
そして、しっかり読んだ本は仕事にも役に立っていると感じます。
その感覚は、現在の私の仕事の成果やポストとして表れています。
仕事をしていて、知識が足りないと思うのであれば、その足りないと思う分野の本を読んだり、有識者に話を聞いたり、もっとその仕事を体験すれば知識やスキルは身に付きます。
自分の仕事ではないと思うのであれば、有識者に仕事を任せても良いとは思いますが、自分に与えられた仕事であれば、どうすれば成果が出せるかを考えれば良いのです。
上手く仕事をするには、学ぶしかありません。
最近、私のいる業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)というバズワードが浸透してきており、デジタル人材育成に注目が集まっています。
では、デジタル人材とは何でしょうか。
この定義が曖昧だと、デジタル人材育成で成果を出すことは難しいでしょう。
正直なところデジタル人材育成をするよりも、会社の中で仕事ができると社内で認められている従業員の働き方を参考にどんなスキルや知識を持っているかを分解して、他の従業員に教育した方が生産性を上げることができるしょう。
もしくは、社内の業務を問題なく遂行するために、必要なスキルや知識は何かをドキュメント化して、学べる環境を作った方が良いでしょう。
その手段にデジタルを使うことは有用です。
例えば従業員が利用するPCにログ収集ソフトを導入して、働き方を分析し、会社にとって有益な働き方を分析して同じような業務をやっている従業員と共有することを検討すると良いでしょう。
仕事ができる従業員が教えることも上手ければデジタル技術に頼る必要もないかもしれませんが、手書きでテキストを作成するというのも現実的ではないので、そこには少なからずデジタル化が必要でしょう。
デジタル人材育成といって、闇雲にデータ分析手法を学んだり、Pythonを学べばデジタル人材になるわけではありませんし、仕事で成果が出せるわけではありません。
仕事で成果を上げるために、必要なスキル・知識が何かに気づいて学べるかが仕事で成果が出せる人材と成果が出せない人材を分けると考えます。
つまり学びとは自分の中に自身の学ぶべき内容に気づける土台をつくることなのです。
それは一定以上の知識であり、その知識を基に自分に足りないものに気づいて行動できるよう力を身につけることなのです。
幸い私には、この土台が作られていると私は認識しています。
多くの人が、この土台を手に入れられるような教育がされるようになれば有益な教育と言えるでしょう。
誰かに頼るのではなく自ら必要な学びができるかが鍵だと私は考えます。