Workers Wind

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特別定額給付金申請は郵送の方が振り込みが早いというのは本当かという考察

特別定額給付金の申請は、マイナンバーカードを利用したオンライン申請と申請書が届いてからの必要書類の郵送申請の2パターンがあります。

先日、私はオンライン申請を済ませましたが、それなりに申請するのは骨が折れました。

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そして、オンライン申請作業をしている際の入力フォームのチェック機能の甘さから、振り込み手続きにはそれなりの人的負荷がかかることになるだろうと想像していたのですが、やっぱり人的負荷が高いようですね。

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対象者に正しく支給するには、世帯情報をまとめる住民基本台帳ネットワークの情報と申請時に入力された情報との照合が必要だ。世帯情報は自治体だけが持っているため、申請内容が正しいかどうか、職員が1件ずつ確認している。区は担当する職員を急きょ増やして対応する計画だが、郵送申請以上に時間と手間がかかり、郵送よりも給付が遅れる恐れもあるという。

本記事によるとオンライン申請においては、入力不備が多く、役所の職員が1件ずつ目視確認をしているため、場合によっては郵送申請以上に時間がかかる可能性があるということですが、本当にそうだろうかと思うので、ちょっと申請データを受けてから振り込み手続きをするまでの作業工程について考えてみます。

 

本件について、このような状態になった原因としてはオンライン申請システムを構築する際に、業務要件定義をしっかりやっていないことが伺えるシステム仕様になっていることは否定しようがない。

しかし、オンライン申請にしたことにより、申請情報についてはシステムで判読できるデータとして手元で利用できる状態になっているはずであると考える。

申請者が誤って(というか申請できているか不安になって)複数回申請してしまっているということではあるが、これも申請情報データを取りまとめて同じマイナンバーというか住所・氏名の申請者情報を取りまとめて重複削除することはExcelでも容易にできることだ。(役所の職員ができるかは別問題にはなるが・・・)

この際に、住民基本台帳システムの仕様がわからないため、すぐに対応可能かはわからないが、マイナポータルからの申請情報データと各役所が管理している住民基本台帳システムのデータを突合できる仕組みはそんなに労力なくExcelでも作成できるだろう。
(各々のデータがしっかり正規化されたデータベースに登録されていればの話だし、データを容易に使えないセキュリティポリシーとかがあると、では何のためにシステム化しているのという謎が浮き上がってきてしまいますけどね・・・)

 

再三Excelを使ってできると書いてはいるが本来は例えば、申請から振り込みまでの業務フローを定義した上でシステム化要件を固めて、システムで対応する箇所と人力で対応する箇所を決めて、人力で対応する本件業務の負荷を各役所の人員でさばけるかを判断した上でオンライン申請システムは構築すべきであっただろうが、当然やっていないのでしょうね。

 

国民の期待に応えるべく早期にオンライン申請の仕組みをリリースしたことは評価できるかもしれませんが、そのために役所の職員の作業負荷が高まり、かつ、もしかしたら働きすぎて免疫力が下がりウイルス感染を引き起こしてしまったら、本末転倒です。

 

現状、どのような業務を目視確認しているかはわからないが、手元にデータがあるのであればそれはコンピューター処理(例えばExcel)に回した方が確実に速く楽に作業が進みます。

ただし、今回のオンライン申請では振込先口座の確認だけは目視でやらざるを得ない状況にはあると考えております。

アップロードされた画像データの精度が高く優秀なOCRシステムを利用したチェックシステムが構築されていれば、目視で確認しなければならない人的負荷を軽減できたと思いますが、当然そんなシステムは導入されていないだろうな。

 

しかし、前述したようにデータがあるというのが、それだけでチェック手順を簡単なシステムを作成して、大量処理させることができる入り口に立っているということなので、少しデータハンドリングにすぐれたプログラマーをつれてくれば現状やっている役所の職員の目視確認作業を大幅に削減できるはずなので、早く対応すべきだろう。

 

処理をしていく際には、振込処理を完了した世帯情報の記録を当然忘れてはならない。

なぜなら申請書が紙でも届くことになる可能性が残っているし、オンラインでも再度申請される可能性もあるからだ。

 

データの量によってはExcelでの管理容量を超える可能性があるため、役所で管理している個人番号の数字の範囲などであらかじめ一つのExcelファイルで管理できる範囲を定義しておいてもよいだろう。

 

オンライン申請において、データ活用が難しいところに、口座確認業務がある。

さらに今回最大にいけていないのは、金融機関コードがオンライン申請の入力項目になかったことだ。

振込依頼データを作成する際に、必要になると思うがもしかして、1件1件人手で入力しようとしているので、金融機関コードは入力させなかったのだろうか?

もし、そのような業務手順だとしたら、ご苦労様ですとしかいいようがない。

 

以上が、オンライン申請における申請内容確認と振込依頼データ作成(作成しないかもしれないけど)の考察になります。

 

さて、では紙での申請をされたときにはどのようなことが起きるのか。

紙での申請については調べていないので想像ではありますが、申請書にあらかじめ必要事項が記載された状態で、申請書が届くのであれば、あとは振込口座情報のみ記載して、本人確認書類と振込口座情報の証明資料を送るのみですね。

役所の職員の方々は目視でこれらを確認する作業をするくらいになるでしょう。

ただし、事前にオンライン申請がされており振込手続きが完了していないかを確認した上で、郵送されてきた申請書の処理をする必要がありますね。

なぜなら、オンライン申請と郵送申請ではオンライン申請の方が先に開始されているからです。

 

そして、もし必要事項が記載されていない申請書が各世帯に届くのであれば、これはオンライン申請よりも大変な作業を各役所の職員の方々に強いることになるでしょう。

何故なら、紙に記載するのであれば判読困難な時の方もいれば、世帯者情報を誤って記載する方もオンライン申請と同様にいるからです。

 

また結局、振込依頼データを作成するために申請情報をデータ化する必要があるはずなので、郵送の申請書の口座情報と申請世帯人数を基にデータ入力業務が発生しますね。

 

オンライン申請および郵送申請のいずれの方法にしても最終的に振込依頼データ作成が発生することおよび各種チェックはいずれの方法でも発生するため、データ活用ができるオンライン申請が郵送申請よりも振込が遅れるというのは考えづらいです。

ただし、役所の上位職位者がデータ活用の観点を考慮せずに人海戦術のみで対応しようと考えているのであれば、必要事項が書き込まれた状態で申請書が届くのであれば、これを優先しようと考えることもあるでしょう。

そうならないことを期待したいですね。

この場合は、チェック機能を作成していない状態で業務をすることになるため、オンライン申請と郵送申請の重複申請により多重振込を防げない可能性が高くなります。

しっかりとデータ活用ができるように走りながらでも、システムを整備して取り組むことはできるはずなので、人海戦術にかけている労力(コスト)をプログラムが組める技術者にかえて対応していただきたいですね。

 

また、オンライン申請者は特別定額給付金申請の手続きをよく理解した上で、必要情報(何が必須入力項目かは読み取れないが・・・)は正確に入力されているかを確認画面で確認し、申請は1回のみとすることを心掛けていただくことを役所の職員の方々が少しでも楽に振込手続きを行えるようにしたいですね。

 

ここまで書いてきて、考えたことですが、振込依頼データなど作らずに振込はインターネットバンキングシステムで1件1件手入力する手順ですとかってなると郵送申請の場合に、記載項目が振込口座のみとなっていた場合には、オンライン申請の処理は止めて、一旦チェック機能などの作成を並行して走らせて、郵送申請の手続きを優先して行った上で、チェック機能ができたところでオンライン申請の処理を再開するとかの方が労力が少ないかなと思いました。

 

ただ、振込手続きを1件1件やるというのも相当な労力だと思うので、普通に考えたら振込依頼データ作成すると思うのですが、マイナンバーカードの普及率を考えるとほとんどは郵送申請になるため、そうなると振込依頼データを作成するのにデータ入力するのも1件1件振込手続きでデータ入力するのも労力はほとんど変わらないなぁって思ってしまいました。

1件1件振込手続きをした場合には手元にデータが残らないのが、私としてもったいないと思いますけどね。

 

とりあえず今後の動向も注視したいですね。

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