Workers Wind

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特別定額給付金の二重交付に対する再発防止策を考えてみた。

特別定額給付金のオンライン申請からの振込手続きを迅速に行っていたがためなのか、福島県天栄村では、1162人に二重交付してしまったそうです。

mainichi.jp

本件がニュースになったことにより、特別定額給付金のオンライン申請における振込処理は金融機関へのデータ持ち込み(郵送だよね)ということがわかりました。

とはいえ、対応方法は各自治体毎に異なるでしょうから、全ての自治体で振込依頼データを作成しているとは言えませんね。

まっとうな担当者であれば数千人以上の規模になる住民への振込手続きを手入力でやろうとは思わないので、振込依頼データを作成すると思います。

 

bookreviewwind.hatenablog.com

 

さて、本件についてニュース記事だけでは事象の詳細がわかりませんが、今後別の自治体で同じことが起こらないように再発防止策を検討してみようと思います。

 

まず、本件についてはニュース記事から読み取れる経緯は以下のようになります。

  • 5月15日:村の職員2名が金融機関に5月18日振込処理分のデータを渡した。
    ※本来は5月19日振込処理分のデータを渡すはずだった。
  • 5月20日:村の住民および指定金融機関からの連絡により二重交付が発覚した。

事象としては、既に金融機関に振込処理依頼済みのデータを2回渡してしまったということになります。

この事象の原因は、依頼済みデータの管理が不足していたのではないかと考えられます。どのようなデータ管理体制になっているのかは想像できませんが、データベースで管理しているのであれば、振込依頼データを作成する際に、振込処理依頼日などのデータ項目を持たせてデータ作成をすることで、本件の再発は防ぐことができるのではないかと考えます。さらに依頼済みフラグ項目をつけて管理して、依頼済みのデータは管理職以上の許可がないと再出力できないとかができればかなりの確率で再発を防止できるでしょう。

 

もしくは、データをファイルベースで管理しているのであれば、振込依頼済みのデータと今後振込依頼をしなければならないデータを分けて管理する仕組みを考えても良いでしょう。

振込依頼データを作成する際に、データベースで管理しているのか、ファイルで管理しているのかで対応方法は異なるとは思いますが、勘違いが起こらない仕組みを検討して、組み込むことが重要です。

 

前述の再発防止策を取ることはしっかりとしたデータ管理ができる職員がいるのであればそれほど負荷のかかる作業ではないと思います。

一方で、データの確認作業に追われて、職員の方に疲れが出ていたとも考えられますので、その点には気を配る必要はあるでしょう。

システムで管理できる環境にないのであれば、二線、三線のチェックを行う必要もあるかもしれません。

環境的要因はできる限り改善していただきたいですね。

 

この件において、指定金融機関側でチェックをかけるのは通常業務の範囲を逸脱しているので難しいとは思いますが、緊急時ということもありますので、そのような対応をされる金融機関が出てきた際には頭が下がる思いがします。

 

ただ、金融機関側でシステム的にチェックを入れるのは正直難しいかもしれません。

同じデータの持ち込みかどうかをチェックするという観点では、振込依頼件数と振込依頼金額の合計が同じデータが特別定額給付金の振込処理の受付時に既に処理されていないかをチェックするくらいならできるかもしれませんが、業務の責任範囲の観点では、役所側で本チェックもすべきでしょうね。

 

いずれにしても、オンライン申請を重複して実施したがために二重交付となったのではなく役所側の手続きミスによる二重交付というのは残念な結果と言わざるを得ません。

 

とはいえ、本件ミスによりオンライン申請を取り止める自治体が増えないことを祈るばかりです。

しっかりデータが扱えるようになりましょう。

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