営業職に異動して10年以上が経過しました。
昨日のブログでも書いたのですが、私は今の会社にいるから、営業として仕事ができているのだと考えており、このままで良いのかを少々悩んでおります。
今の自分の営業スタイルが他社でも通用するモノなのかを考えるために、営業に関する書籍を時々読んでいます。
そして、今回読んだ本は「Sales is 科学的に成果をコントロールする営業術」です。
営業はAI技術が発展したとしても無くならない職種と言われるくらいに、属人化が著しい職種だと考えられています。
AIに営業ができないのは、営業がモノを売るにせよサービスを売るにせよ販売相手が人である以上は、営業は見込み顧客の感情に寄り添う必要があり、AIに人の感情は理解できないからであると考えられます。
つまり人がモノやサービスを購入するという行為は必ずしもロジカルな判断がされているわけではないということなのだと認識しています。
しかし、ビジネスの現場では顧客はなるべくロジカルであろうと考えていますし、営業も自社の商品・サービスが如何に顧客にとって有用なモノであるかをロジカルに説明しようともしています。
そして、どれだけロジカルに考えても売れない時は売れないし、ロジカルに考えていなくとも売れる時は売れるのが営業なので営業の仕事はすごく再現性を保つの難しいと考えてしまうのです。
そんな営業活動ですが、本書では顧客が買わなった時の理由を事例として積み上げていくことで売れるタイミングがわかると本書は説明してくれています。
また、売れた顧客の成果を事例として積み上げておくことの重要性も説明しています。
ところで、基本的に商品やサービスを販売する時には、顧客に販売する商品やサービスに興味を持ってもらい、顧客自身にとって必要なモノだと認識してもらい購入してもらいます。
その顧客の購買行動(商品・サービスに対する興味)が一気に進むことはありますが、これは顧客の興味の段階が上がるスピードが早いだけであり、興味が上がる段階を飛ばしているわけではないのです。
顧客の組織によっては担当者だけでなく、興味を持ってもらう関係者の数が多いことや実際の購買行動を行う際の手続の複雑性はありますが、これらを抜きにして興味の段階を上げることが販売につながるのです。
そして、自社の商品やサービスはどのような顧客に興味を持ってもらえるのかを数多くの見込み客への販売活動から積み上げていくことで、購買する顧客の状態と購買しない顧客の状態を事例として蓄積していくことができ、これらを基にして再現性のある営業活動が可能になると本書は教えてくれます。
営業活動の中身を分析できるように、活動内容を細分化して、顧客の状態も整理しておくことで購入意欲が高い顧客と低い顧客を選別することが可能になると本書は説明しています。
営業は感覚的なものと捉えられがちですが、必ずしも感覚だけではなく販売するための明確な論理や状態があるということが本書を読むことで理解することができるでしょう。
私はシステム会社の営業ではありますが、特に業界問わず応用可能な営業としての考え方が本書には記載されていると私は感じました。
具体的な考え方の記載はありますが、抽象化した表現を取り入れているため、業界問わず利用できる考え方だと認識しています。
営業職の方で、上手く販売できていないと感じる方は一度本書の考え方を学んでみると良いでしょう。
営業の基本的な所作・考え方を学び、一つ一つの活動が次の販売につながるということが理解できます。