2020年2月頃からの日本国内における新型コロナウイルスの猛威により強制的にテレワークが導入されて、多くの管理職はテレワーク下における管理について悩んでいることでしょう。
私自身も一営業組織の課長として、自分のマネジメントスタイルがテレワーク環境に合っているのか部下は働きやすいと感じているか、不安になっていないか、思うような成果を残せるように動けているかを考える日々が続いています。
そんな中で、悶々と悩んでいても答えは出ないので、「リモートマネジメントの教科書」を読み、現状の自分の悩みと向き合ってみることにしました。
本書を読んで、テレワークが導入される前のマネジメントは偶然のマネジメントに頼る点が多かったということが実感できました。
その上で、テレワーク下では偶然に頼っていたものを必然に変える工夫が必要なのだということがわかりました。
例えば、全員が出社してきていればフリーアドレス制ではない会社であれば、同じグループであればグループメンバーはほぼ近くの席に座って仕事をすることになります。
このような環境であれば、マネージャーは個人の忙しさは各々の表情やパソコンに向かう姿勢、電話での応対など特別に意識していなくても把握することができます。
しかし、テレワーク下では個人の仕事をしている姿勢がみえないため、同じ仕事場で把握できていたような業務の取り組み姿勢を見ることができなくなります。
ここで、日々の業務の成果物で業務を評価するということに舵を切ることも考えられますが、すぐに成果が出ないような業務をしている場合には、完全に成果のみで評価することは難しいとも考えられます。
業務の特性を考慮した管理手法が求められると考えます。
こういったことをテレワーク導入前は、ほとんど考えることなく管理業務を行なっていたのですが、強制的にテレワークとなったことで、管理の仕方を考える必要性ができてしまったのです。
完全成果評価にできれば管理職としては楽ですが、それでは成果が出しづらい業務をやっているメンバーはモチベーションを維持することができずに病んでしまうか会社を辞めてしまうかもしれません。
本書によれば、
リモートマネジメントとは、メンバーの3つの「こ」、 ① 個として立つ、 ② 心の距離が近い、 ③ ここがいい、をつくるための意図的な支援
ということで特に管理職としてはメンバーとの心の距離を如何に近くし、メンバーに「ここがいい」と感じてもらえる環境作りができるかがポイントになると考えています。
とはいえ、冒頭に記載しましたがテレワーク導入前までは偶然というか環境に頼っていたマネジメントを、テレワーク下では意図して実施できるようにするというだけです。
つまりマネジメントの本質自体はテレワーク導入前もテレワーク導入後も変わっていないのです。
そのことについて、考えていなかった私はテレワーク勤務者には社内のグループウェアに勤務日の朝に当日の実施項目の報告と業務終了時に、実際に実施した項目の報告をしてもらい、本社勤務者には特に報告を求めていませんでした。
私自身が本社勤務をしているため、本社勤務のメンバーについてはテレワーク導入前のマネジメントで足りると考えて、テレワーク勤務者にのみ報告を求めることにしたのです。
特にこの点についてグループメンバーから不満の声が聞こえるということはありませんでしたが、私としては失策だと考えています。
テレワーク勤務者と本社勤務者では物理的な差異はどうしても出てきますが、報告の方法などについて管理職側から区別する必要はないということを本書を読んで再確認しました。
むしろテレワーク勤務前提でマネジメントスタイルを構築していった方が偶然に頼ることのないマネジメントができるため、マネジメントのレベルを向上させることができると考えています。
これはメンバーに対して過干渉になるということではありません。
第一にメンバーには個として立ってもらう必要があります。
それを伝え、メンバーが個として立てるようにサポートするのが管理職の仕事です。
自分もメンバーの業務を持っているため、まだまだ管理職としてやらねばならないことができていませんが、最高のチームになれるように今後も改善していきたいと思います。