「初心忘れるべからず」という言葉があります。
色々なケースで利用できる言葉だと思いますが、今回の記事では、何かをする際の目的を忘れてはいけないという点に焦点をあてた内容を記載します。
会社員として業務をしていると何のためにやっているのかよくわからないけど、ただやるというタスクにしばしば出くわします。
目的を考えなくともこなせるタスクというのはある意味では会社の中で習慣化しているタスクと言えます。
しかし、このようなタスクで気をつけなければいけないのが、チェックリストなどのチェックの意味を考えずにただチェックの印をつけているだけという状況に出くわすこともあるということです。
たとえば、自分が勤務しているフロアの最終退出をする際に、電気を消したか、フロアの最終であることを確認したかということをチェックしているとします。
その際に、フロアの最終であることの確認がおざなりになっていて、実はまだ残っている人がいた場合に、残っている人を閉じ込めてしまうという事態が起こりえます。
チェックリスト関係の書類は、確認をしたかというチェックに意味があるのではなくて、どのように確認をしているかに意味があることが多いのです。
前述の最終退出の場合には最低限フロアを回って起動している端末がないか、欲を言えばトイレに人がいないかを確認するところまでやった方が良いケースもあるでしょう。
単に目に見える範囲だけで確認したとするには確認ができていないケースがあるのです。
もっとひどいケースにおいては、確認していないのに、確認したことにしてしまうケースもあります。
この場合には、チェックリストは使う人の理解が足りなければ機能しないということを実感することになります。
タスクの効率をあげるという観点では慣れの要素は必要です。
しかし、慣れることによって本来省略してはいけない手順を省略してしまうと後々想定外の事象に悩まされることがあります。
実際には、過去の先達はその想定外事象を経験したために、チェックリストを作成していたり、手順書を作成していたりするのです。
しかし、そういったチェックリストや手順書には、なぜ当該チェックリストや手順書を作成したのかの目的が書かれていないことの方が多いでしょう。
失敗したことを後世に引継ぎたくないのかどうかはわかりませんが、自分がやっているタスクの意味を考えて、省略できるものとそうでないものの見極めができないのであれば、先達に目的の確認を取るということも必要です。
習慣化をしていくというのは、何かを確実に遂行していくときに非常に重要なプロセスではあります。
しかし、習慣化・効率化する際に、目的を把握していないと後々問題事象が発生する可能性があります。
習慣化・効率化する際には、目的をしっかりと理解した上で物事に取り組みという初心を忘れないようにしたいですね。