会社で働いていると最近は至るところでコスト削減という言葉を聞くことになる。
営業としてお客さん先に行っても、当然コスト削減を求めれます。
そのコスト削減と同時に機能と品質は維持してということを言われたりもする。
これは、お客さんから言われる場合は要は値引きの依頼ということだ。
社内で言われる場合もコスト削減して、品質や提供している機能がなくなるということは求められていない。
このようなコスト削減しつつ、機能と品質を維持するという依頼をする人たちはよく考えているのか疑問に思うことがある。
何に疑問を持っているのかというと、つまり今のやり方に無駄があり、改善できると思っているのかということだ。
実際に、無駄なレビューとか、無駄な会議とかは会社内の至る所にあると言えばあるのだが、ちょっと考えただけでは無駄がないプロセスも当然ある。
というか、無駄なレビュー、無駄な会議はみんなが無駄だと思っていても、何故かなくならないものだったりもする。
会社内には無駄だと考えられるものが多いのに、何故かなくならないのだ。
これは実はサービスも同じ。
サービス提供側の論理として、良いモノを追求していく過程で色々な機能をつけていったことで、ユーザが求めていない機能が搭載されてしまうことがある。
そうすると結果として機能過多ということになり、その分は商品・サービスの費用として追加されてしまう。
さらに、一度機能追加してしまうと、追加した機能はなかなか落とすことができなくなるという状態に陥ってしまう。
ただ、実際にはほとんど使われていない機能であれば、なくなっても困ることがないため、機能を落として費用を下げた方がユーザには受け入れられやすい。
これを上手くやっているのが、アイリスオーヤマの製品だと考えている。
アイリスオーヤマの製品は統一感のあるモダンなデザインとして各製品の機能を最小限に絞り込んで、競合製品よりも安価に提供している。
フォロワーとしての強みを最大限に発揮した製品を提供している。
リーダー企業は、市場を切り開く過程で商品・サービスに色々と機能を追加していく傾向があり、高価な商品・サービスを提供して行く傾向がある。
一方で、フォロワーはリーダー企業の商品・サービスの機能をよく研究し、必要な機能に絞った商品・サービスをリーダー企業よりも安価に提供している。
どちらが良いということではないのだが、目的を達成するために一番安価な商品・サービスを選択するという発想は必要だし、コスト削減するのであれば、プロセスだけでなく、品質・機能についても目を向けても良い。
コストを構成しているものが何かにもっと注目して、本当に必要なものが何かをもっと考える必要がある。
もっとフラットにモノをみれるようになれば、コストだけに目をやらずに本当に必要なモノが見えるだろう。
コスト削減する時に品質と機能を維持せよというのはだいぶ他力本願な物言いだと多くの人に自覚してほしい。