Workers Wind

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政府は本当に携帯電話の利用料を下げる気があるのか?

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菅総理は、何故か携帯電話料金の値下げに熱心な政策をとろうとしており、先日は携帯電話業界の自由な競争を促すために、携帯電話のメールアドレス転送についての検討を依頼していました。

www.nikkei.com

 

携帯電話料金の値下げは消費者としては非常にありがたいことですが、携帯電話のメールアドレス転送をキャリアに義務づけるとかは、携帯電話料金の値上げにつながりかねない施策なので、ちょっとというかかなり迷走しているなと思いました。

 

 

メール転送のインフラ費用は誰持ちなのか?

少し考えればわかると思いますが、同じメールアドレスを使い続けるためには、キャリアに限らずドメインを相互乗り入れする仕組みを構築するか、キャリアを変更した際に変更先のメールアドレスを変更前のメールサーバに登録して転送する仕組みを構築しなければなりません。

 

では、このような仕組みを構築したとして、誰がこの仕組みを運用するのでしょうか?

大手キャリア各社が各々構築して、運用するということであれば各社が同じ投資をするため、競争上は公平かもしれませんが、大手キャリアに負担をしいることにはなってしまいます。

 

つまり、民間企業にゆだねた時点でこの発想はコスト増にしかつながらないため、携帯電話料金の値下げとは逆行してる施策なのです。

 

まぁ、思いつきが記事になってしまったのかもしれませんが、メディアも取り上げるニュースを選んだ方が良いと思います。

これでは政府が無能だと言っているようなものですね。

 

キャリアメールを使わない選択肢を推奨すべき

実はauは以前からGoogleが提供するGメールのアドレスを取得させるようにしていたりするので、キャリアメール依存が一番低いキャリアなのではないかと思っています。(実データは持っていないので、実際のところはauユーザのキャリアメール依存度はわかりませんが・・・)

現在は、スマートフォンが普及したことにより、メール機能としてキャリアメールは使わなくても困らない状況になっています。

しかし、ガラケー時代から携帯電話を利用していたユーザでキャリアメールを頻繁に利用していたユーザは、メールアドレスが強烈に個人の生活に紐付いてしまっているため、メールアドレスの移行には拒否反応が起こることもわからないではないです。

 

とはいえ、SNSの普及やフリーメールアドレスの普及などを考えるとキャリアメールが必要となる人は、実際にはそれほど多くないのではないかと考えることもできます。

というか、私がキャリアメールをまったく利用していないので、正直キャリアメールを使わないことで利用料金を安くしてくれるなら、すぐにメールアカウントは解約しますね。

 

キャリアメールはセキュリティホールにもなり得る

また、キャリアメールは登録者数が膨大なため、ウイルスメールの温床になる可能性もはらんでいます。

アカウント名をランダムに生成して、キャリアメール宛てにウイルス添付メールやフィッシングメールなどを一斉送信するということは普通に行われています。

メールの世界は、大手ドメインは非常に狙われやすいのでそういう意味ではGメールのアカウントもかなり危険ではあります。

しかし、GメールはGoogleの技術力による不正メールフィルタリングがそれなりに機能しているので、ユーザがセキュリティリテラシーを向上することで、メールに関する攻撃からの驚異を下げることはできるでしょう。

ユーザのセキュリティリテラシーをどのように高めるのかが一番の課題ですけどね・・・ 

まとめ

携帯電話のメールアドレス転送というか共通化をキャリアに検討してもらうというのは、政府の施策としては愚の骨頂です。

そもそもスマートフォンが普及したことによって、キャリアメールに連絡手段をしばられるという状況が既に古いので、そんなことで自由な競争は促されません。

また、キャリアメールを利用し続けることは、メールセキュリティの上でもリスクだと考えられます。

 

以上のことから考えると携帯電話料金を下げる上でメールのインフラ維持がどの程度なのかはわかりませんが、メールサービスをキャリアは提供しないとかにした方が、携帯電話料金の値下げに貢献できるのではないかと思いますね。

 

携帯電話料金の値下げには如何にキャリアのインフラコスト(固定費)を削減するかがポイントとなってくるかと思いますので、政府が本気でこの課題に取り組むのであれば、もう少し考えたアイデアを出してほしいところです。

 

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