結局営業は、何を売るべきかということを考えたので、まとめておくことにする。
まず、何故営業が何を売るべきかを考えたかというと、少し前にSI営業への道で営業とは何かを書いたときに一緒に考えることになっていたのだ。
本記事で、営業とはお客さんからニーズを聞き出す業務だと定義しており、何のためにお客さんからニーズを聞き出すのかと問われれば当然お客さんのニーズにあったものを売るためという答えにたどり着く。
ここで少し考えてみてほしい。
自社で商品やサービスを開発しているときには、どこに向けた商品やサービスを開発しているのか。
その商品やサービスを買ってくれるお客さんのニーズはあるのかということだ。
いくら自社で開発している商品や提供しているサービスが良いモノだと自分たちで思っていたとしても、お客さんが評価してくれていなければその商品やサービスには価値がない。(マーケティングの成果により価値を発揮することはある)
まず市場には自社の商品やサービスと類似の商品やサービスがあふれているが、結局お客さんが自社の商品やサービスしか知らなければ類似の商品やサービスは競合足りえない。
この点は、お客さんとの関係をどこまで築けているか、お客さんに信頼されているかという点もポイントとなる。
とはいえ、これらの信頼関係があったとしてもお客さんのニーズを聞いていて、そのニーズに見合った商品やサービスを提供していなければ早晩お客さんとの信頼関係は崩れていくだろう。
つまり結局のところ営業が売るべき良いモノというのは、まずはお客さんからみて良いモノ、お客さんのニーズを満たすものということになる。
その上で、自社の拘りが商品・サービスにこもっているものがアカウントベースの営業をしている会社の営業が売るべき良いモノということだ。
一方で、マーケティングベースの営業をしている会社の営業が売るべき良いモノは、自社が市場においてニーズを作り出すことになるため、自社の商品やサービスが最終的にはお客さんにも良いモノになるということだ。
マーケティングは学問として成立しているもののその手法があたるかどうかには不確実性がある。(営業について書いた本はあるが、学問として営業はない)
したがって、多くの会社はアカウントベース営業でお客さんからニーズを聞いてお客さんにとっての良いモノを開発・提供する。そこで開発・提供したものを当該アカウントと類似のアカウントに横展開する。
それで得た収益を種銭として、マーケティングベースの商品・サービス開発にも着手するという構造になる。
つまり会社の収益はまずアカウント営業が作り出すということになるため、お客さんのニーズをしっかりと聞くという営業の仕事が何よりも大事だということだ。
SI営業をやっていると時々自分が何を売るべきなのかがわからなくなるのだが、まずはお客さんの声を聞くというのが出発点であることは間違いないということだ。