Workers Wind

主に私の仕事に関する考え方と自分の知識・スキルを習得するために読んだ本、調べたこと、実施した結果などについて記載しているブログです。

SI営業への道 Part3 営業が会社を育てる

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今回のSI営業への道は、これまでの2回とは少し方向性を変えて営業としての心構えについて書いていきます。
私はアルバイト以外では、現在勤務している会社しか経験がないため、他の業界の営業がどのような心構えを持っているかはわかりませんが、今回紹介する心構えは他業界の営業職にも通じる考え方だと思っております。
その心構えとは、営業が会社を育てるという考えをもつということです。

 

それでは順に説明していきます。

 

 

会社は営業成績を上げていくもの

大前提として会社とは、社会に貢献し、自社の事業を拡大して成長いくものです。
従って、営業が自社の商品・サービスを顧客に販売することが会社の成長を支えるということを覚えておく必要があります。
営業組織がない会社というのもあるでしょうが、これは組織がないというだけで、営業行為をしていないということではありません。
扱う商品・サービスが異なれば、営業方法も変わります。
インターネットショッピングサイトで自動で商品・サービスが売れていたとしても、その仕組み事体が営業行為であり、商品・サービスを販売しない限り会社の成長は望めないのです。

 

顧客第一主義

次に多くの企業や店舗で「顧客第一」や「お客様は神様です」というような顧客を大切にする気持ちを教えられるでしょう。
その一方で営業行為をしていると必ずしも顧客が求めていないものを売り込みするような事態に陥ることがあるでしょう。
そんな時に、これって「顧客第一」なのかと自問自答する営業職の方もいるのではないでしょうか?

 

私も「顧客第一って何?」と考えたことがあります。

 

そこで考えた結果、私は顧客が納得しないような形での販売はしないことにしました。

 

ただし、自社のサービスを顧客が求めていないと思う時には、本当に顧客のためになる部分が自社のサービスにないのかを考えることにしています。
そこで、少しでも自社のサービスを利用することで顧客に利益があるのであれば、その考えを突き詰めて顧客の利益を最大化することを考えるようにしています。
こうすることで、最終的に顧客が納得できるような提案をしていくことにしています。

 

価格は安く。導入は早く。

SI営業が販売しているシステムは、通常顧客にとって価格は高く、導入には長い期間がかかることが多いです。
そして、顧客の多くはシステムの価格と導入にかかる期間が妥当であることを正しく評価できません。
商慣習上、そういうものだと考えてくれれば良い顧客です。

 

最近は、ビジネス環境の変化が早いため、なかなか高いシステムを長い期間をかけて導入してくれる顧客はいなくなりました。
結局SIerが対応しないことで、顧客の多くはビジネスを加速することができないでいるという状況なのです。
この状況を打開するために、ありもののパッケージやクラウドサービスを利用して、自社の業務をパッケージやクラウドサービスに合わせることができる顧客企業が増えてくればこの状況は変わるかもしれません。
徐々にこのようなケースは増えていくでしょうが、まだまだ難しいのが実情だと感じています。

 

顧客第一主義と顧客の要望を実現できないジレンマ

さて、会社としては顧客第一主義をかかげているもののSI営業は多くのケースで、顧客の要望である求めるシステムを安く早く提供することができないでおります。
このような状況において顧客の要望を優先して、自社の状況をかえりみずに顧客の要望に応えてしまうSI営業もいるようです。
この結果、開発現場は悲鳴を上げて、IT業界がブラック業界と言われるようになってしまったのだと考えています。

 

SI業界では見積もりをシステムを構築するための人工(にんく)で表現することが多いです。
人工とは、当該システムを構築するまでにかかるマンパワーで、全体で何人月の工数が必要という形で表現します。
10人の開発者が1月で完成できるシステムは10人月になります。10人月は1人の開発者がシステムを開発した場合には10ヶ月かかるということも意味します。
実際の開発現場では、このように正確なスケジュールで開発が進むということはないため、人工はあくまでも目安と考えた方が良いでしょう。

 

しかし、提案時(契約時)にはシステムをいつリリースするという約束も通常しますので、スケジュールを遅延させるわけにはいきません。
SI営業が無茶な見積もりで案件を受注して開発作業を進めれば、自社や自社の協力会社の開発者をデスマーチへと誘うことになるのです。
SI営業は、顧客のことを考えることも重要ですが、無茶な要求を受け入れて自社および自社の協力会社の開発者を疲弊させすぎないということの方が重要です。
SI企業の財産は紛れもなく開発者であるため、開発者を疲弊させすぎてしまえば、自社の成長の源泉をすり減らしてしまうことと同義なのです。
そして、顧客自身はシステム開発能力を持っていないことが日本企業においては多いため、SI企業の疲弊は巡り巡って顧客企業のためにもならないと考えるべきなのです。

 

競合との差異を意識すべき

とはいえ、自社のことばかり考えて開発者に余裕ばかりを持たせていると同じ業界の競合他社に提案で負けることになります。
提案で負けてしまえば、これも会社としての成長の機会を失っていることになります。
提案に勝つためには、競合との実力差を正しく認識することもSI営業としては必要なスキルになります。

 

評価は顧客がしてくれます。顧客の声を聴くのです。

 

提供したシステムが顧客が満足するものだったのか、提案して競合に負けた場合は何故負けたのか、全ては顧客が知っています。
自社としては知りたくない情報かもしれませんが、会社を成長させるための情報です。
SI営業はこの情報を顧客から得て自社に持ち帰り、自社の成長につなげる役目を持っているのです。

 

まとめ

顧客に良い顔をするのが営業の仕事ではありません。
顧客のことを考えつつも自社の成長を第一に考えるのが良い営業なのです。
自社が成長することで、顧客の要望にもより応えられるようになります。

 

今はまだ顧客の要望に応えられないこともあるかもしれませんが、何故応えられないかを自社、顧客、業界の状況をみて考えるのです。
常に自社、顧客にとって何が最適かを考えるのです。

 

そうすることで、営業としての進むべき道がみえていくでしょう。

 

競合企業ですら、自社を成長させるビジネスパートナーなのです。
そう考えることで、もっと広い視野で営業活動ができるようになるでしょう。

 

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