自分は、会社で課長をやっておりますが担当業務ももっており課長(リーダー)として十分な役割を果たせているのかが以前からずっと気になっております。
私のグループはチームとして機能していないという課題認識です。
そんなわけで、今回は大好きな宇宙兄弟を題材としたビジネス書「宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。」を読んで、自分のリーダーとしての役割について考えてみました。
本書は、宇宙兄弟の主人公である「難波六太」の行動を軸に、保全性の高い人のリーダーとしての行動や、チーム形成について説明されています。
宇宙兄弟を題材にしたビジネス書としては「宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み」という本も読んでおります。
本書を読むと六太ように保全性が高い人とはどのような人なのかという理解度が深まります。
六太は、少年誌の主人公のように特殊能力があるわけではなく、青年誌の主人公らしい読者の鏡のような普通(スキルはある)のサラリーマンから、少年時代の夢であった宇宙飛行士になり、様々なミッションをチームでこなしていきます。
この宇宙兄弟のストーリーを題材に、六太のような性格の人がチームをリードするということがどういうことなのかが説明されています。
FFS理論の本では、日本人の大部分は六太のように保全性が高い傾向があると記載されております。その傾向でいくのであれば、日本人の多くは六太のようなリーダーになれるということです。
六太のリーダーシップは、強烈なカリスマ性でチームを引っ張るということではなく、六太の保全性(共感性)を強みとして、チームメンバーの能力を最大限に引き出し、目的を成し遂げるためにチームメンバーが共創していけるように結果として促している点に表れています。
自分の「~したい」という意志をチームメンバーに伝えて、自分のWANTを強制するのではなく、メンバー間の共感を促していくことで、共創環境が整えられていくというのです。
営業をやっていると、競合他社や社内でも他マーケットを担当している営業と競争を強いられているように感じることがしばしばあります。
競争は時として競争相手の足の引っ張り合いを生み高次元の仕事の成果を生まないことがあります。
共に創り上げる共創環境は、チームメンバー一人一人の強みを最大限に発揮できるフローの状態を創り上げ、最高のパフォーマンスで目的が達成できるというのです。
もちろんチームを作って、すぐにこのような環境になるわけではありません。
人がただ集まっている状態は、チームではなくグループ、単なる「群れ」の状態です。
チームとは目的達成のために、しっかりと機能するようになっており本書ではこのよな状態をチーム「団」と表現していました。
チームを作っていく4つのステージについても本書では説明されておりました。
このステージについては、「今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則「ジャイアントキリングの流儀」でも解説されていた内容と同じです。
ジャイアントキリングの達海監督と宇宙兄弟の六太では、リーダーの種類が違うような気もしますがチーム形成の過程は同じように説明ができるということは非常に興味深いことです。
さて、本書において私が考えを改めさせられたことは、周りに対して攻撃的になる必要はない。敵はいないということです。
私は大抵、私の仕事に横槍を入れてくる存在を敵として認識してしまうのですが、本書によるとそれは敵ではなかったということです。
要は、相手の立場になって考えてみれば、彼らも何らかの理由に基づいて行動しているので、まずその理由を理解した上で、こちらの状況にも理解を示してもらうことで、Win-Winの関係が形成できるということです。
実際には、誰しも何かしらの理由があることはわかっておりますが、事の重要性がどちらが高いのかという観点で私は効率は最優先で考えることがしばしばあります。
宇宙兄弟で言えば、妥協する溝口くんというところでしょうか。非情にもなり切れないところがあるので、妥協すると付け加えました。
そして、多くのビジネス書にWin-Winの関係については説明されておりますが、絵空事だと考えておりましたし、正直この考えを改めるのは難しいかとは思っています。
しかし、本当の意味で成功をするためには、共感により共創できるチームでなくてはなしえないという理想を追っても良いかなと考えさせられました。
本書は、宇宙兄弟という大変面白く興味深いマンガを題材にした新時代のリーダーシップの教科書です。
チームのリーダーにならねばならないけど、自信がないという方にはぜひ読んでほしい本です。
リーダーといっても肩ひじ張らなくても良いということがわかります。