いつもとは少し毛色の違う本を読んでみようと思いWebをザッピングしていた際に、少し興味深い内容の書評ブログを読んで気になった「センスは知識からはじまる」を読んでみました。
私自身は、センスがないなぁって思っているのですが、本書を読むと「なんだ。勉強が足りないだけか。」という結論に達しました。
本書を読むとセンスというものが先天的なものではなく、後天的に身に着けることができるスキルであることがわかります。
本書の中で、私が最も重要だと感じた一文は以下になります。
センスを磨くには、あらゆることに気がつく几帳面さ、人が見ていないところに気がつける観察力が必要です。よいセンスを身につけることも、維持することも、向上することも、研鑽が必要です。 能力がある限られた人しかできないことだから、難しいのではありません。 本当に簡単なことを、「これが重要だ」と認識し、日々実践していくこと。その繰り返しを続けることが難しいのです。
要は自分にはセンスがないと諦めるのではなくとことん突き詰めて考えなさいということです。
よくある天才と言われる人も、見えないところで努力しているという話です。
そして、天才は自分で努力しているとは思っていないというところもまた真理ですね。
つまり努力をすれば誰でもセンスを身につけることができるということです。
とは言え、努力の方向性を間違えてしまうと、センスを身につける遠回りになってしまうため、本書ではセンスを身につけるには、まず普通のことを理解することと説明しています。
普通というのは、突き詰めると難しいことですが、多くの人に受入れられているモノ・コトのことです。
そして、普通を知るためには当該分野に関する勉強をする必要があります。
普通を知ると、普通を軸にして良い/悪いの判断ができるようになります。
これって説明されると全くその通りだなと納得できます。
私も自分の仕事についてはそれなりに経験をしてきているので、お客様の要望に対して普通なら、こんな提案をするというのがすぐに思い浮かびます。
その上でさらにお客様の期待を超えるものを考える時にはお客様にとっての普通を考えた上で、ちょっとしたメリットを付加することを考えます。
自分の慣れ親しんだ分野では、少しはセンスがあるモノの考え方ができているように考えています。
これを自分が知らない分野でもやれれば当該分野におけるセンスをモノにできるということなのです。
そして、得意分野以外の知識を得ると知識の幅が拡がって、その知識を有機的に結び付けられるようになるので知識はないよりあった方が絶対に良いのです。
知識を得るためには、本を読むことも重要ですが、街に出て実際のモノをみることや体験することも重要です。
それらみて体験したことを自分の血肉(心のノート(本当のノートでも良い)にメモする)にすることで、普通を理解してセンスを磨くのです。
単純に、センスが良い人に憧れてその人任せにするのか、その人の背景にある知識に思いを馳せて、自分もその深淵に近づこうとするのか、その想いがあるかどうかがセンスのある人ない人を分けているのだと本書を読んで感じました。
本書には、センスを身に着けるためのモノの考え方が書かれていますので、自分はセンスがないけど、センスがないままではいたくないと考えている方は一読することをオススメします。