Workers Wind

主に私の仕事に関する考え方と自分の知識・スキルを習得するために読んだ本、調べたこと、実施した結果などについて記載しているブログです。

テレワークで仕事の効率が下がったという考察

f:id:nob0018:20200728232852p:plain

日経新聞に気になる記事があったので、私なりに考察してみます。 

www.nikkei.com

 記事の概要は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けてテレワークを導入した企業で生産性が高まったので、テレワークを継続するという企業がいる一方で、6月の内閣府の調査では、仕事の効率が「下がった」という結果が47.7%あり、オフィス回帰が進んでいるという話。

そして、仕事の効率が下がった要因は、テレワーク時に子供の乱入や通信状態などの家庭環境に問題があるということ。

 

この仕事の効率が下がった要因について本当にそうかという疑問が私にあるので、少し考えてみる。

 

 

テレワーク環境に問題はある

業務の種類にもよるとは思うが職場で一人に一台PCが配られており、業務の大半をPCでこなせるという仕事をしているのであれば、テレワーク環境においては仕事の効率は上がるものだと考えている。

オフィスにいるときよりも、孤立できる環境が家庭で作れればPC業務は集中できる。個人の性格に依存するようなところはあるが、オフィスよりも家庭環境の方が自分に合わせた集中できる環境を作りやすい。

とはいえ、家庭に仕事を集中してできる環境をつくるにはコストがかかる問題ではあるため、どこまでこれに対応できるかは個人毎に違いが生じることにはなるだろう。

仕事で一旗揚げたいと考えていれば、環境構築にコストをかけるはずだ。

というか、そういう人は普段から家でも仕事ができる環境にすることにコストをかけているのではないだろうか。

なので、仕事の効率を上げられるのはテレワーク環境構築に普段からコストをかけているかという観点があるため、テレワーク環境の良し悪しにより仕事の効率は変わるのはわかる。

 

業務定義はできているか

本記事で最も気になった点がテレワーク環境において管理職がどのような管理を行えているかという点だ。

さくらインターネットの例では、経営者からみたら何も問題ないということであったが、仕事の効率という観点で、テレワークの担当者の業務内容を正確に管理できている管理職は少ないではないかということが疑問だ。

私(管理職)自身は、オフィスに出社しているが、部下はテレワークをしている場合がある。

(部下の生産性が下がるため)特に逐一成果報告を求めるようなことはしていないが、テレワーク以前は部下が近くにて、非効率な作業をしていれば効率をあげるように指摘していたこともある。これがテレワーク対オフィスの環境ではできない。

あまり過干渉になることは部下の成長を抑制することにつながるため、最近の育成関連の本では仕事を任せることが重要と書いてあることが多いが、私世代よりも上の管理職は、過干渉系の管理職が多いと感じている。

 

そういった状態でテレワークが進むと正直どうして良いかわからないだろう。

今までは成果だけでなくプロセスでも評価ができていたが、プロセスがみえなくなっているので、プロセスの見える化をどの程度まで行うかをテレワーク環境においても決めていく必要がある。

これができていないがために、多くの管理職はテレワーク環境で仕事の効率が下がったと感じるのではないだろうか。

 

成果主義だけではできない

目標設定や評価方法の話になるが既存の日本企業の人事制度で急激に成果主義やジョブ型雇用を取り入れてしまうとあぶれてしまう人員が出てくるのは明白だろう。

なぜなら、これまでの雇用形態とはまるで違うからだ。

終身雇用制度は撤廃されたとはいえ、日本企業にはその文化はまだまだ健在だ。

冷たい言い方をすれば、これまで会社の言いなりで自分の価値を高めるような取り組みをしてこなかった人たちにも落ち度はあるのだが、社会がそう仕向けていたと考える人の方が多いだろう。

そのような状態で、一気にジョブ型雇用や成果主義が進んでしまっては、他社では仕事ができない人たちが一斉に働けなくなり、社会保障基盤が揺らいでしまうだろう。

 

つまり成果主義だけでは現状の不況に陥っている日本経済を立て直すことはできないのだ。今はまだ過渡期であるため、ファミリー型雇用とジョブ型雇用のハイブリッド型の雇用形態などを模索した方がいいだろう。

 

新しく起業する会社であれば、はじめからジョブ型でも問題ないだろうが、歴史ある企業はこれからの働き方を模索する中で段階的に柔軟な雇用形態・人事制度が求められることになるだろう。

 

まとめ

テレワークは私も積極的に取り入れたいと思う一方で、対面でのコミュニケーションの重要性は以前にも記事にしており、オフィスに出てくるというのは仕事を円滑に勧める上でなくてはならないと行為だ。

 

bookreviewwind.hatenablog.com

 

テレワークがかかえる問題点や解決策も今後もっと議論されていくだろうし、完全にテレワークがない状態に戻ることもないだろう。

そういったことを考慮して、極端な施策を取るのではなく現状はあらゆる事象の転換点ととらえて広く状況を観察して、柔軟な対応をとれるかが経営には求められるだろうし、管理職はこれに対応していく必要がある。

危ないのは、どちらか一方の考えを強烈に推進してしまい軋轢を生んでしまうことと、様子を見過ぎて何も手を打たずに、状況に取り残されてしまうことだ。

 

今はトライ&エラーこそが重要と判断して、状況に望むことだろう。

そうすることで、テレワークを取り入れた働き方は仕事の効率を確実に引き上げることができると確信している。

 

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

【スポンサーリンク】