システム開発の現場において、お客様の要望を捉えるのは非常に難しいということを表している「顧客が本当に必要だったもの」という風刺画があります。
この風刺画を反社会人サークルがカードゲームにしていたので、購入してやってみました。
本ゲームを通して、顧客の要望を捉える力が養われるようなものなのかと期待して購入してみましたが、実際にプレイしてみた結果、期待が達成されるようなことはありませんでした。
とはいえ、単純にゲームとして楽しかったので、「顧客が本当に必要だったものゲーム」についてご紹介します。
ゲームルール
本ゲームは、2人から4人でプレイするカードゲームです。
顧客の要件を表す要件カード(18枚)、各プレイヤー(開発者)が持っている成果物カード(各14枚)と成果物のスタートになるキックオフカード(1枚)の3種類のカード を使ってプレイします。
まず各プレイヤーは自分の成果物カードを5枚もってゲームスタート。
要件カードを1枚めくり、各プレイヤーが順番に要件を達成するべく自分の成果物カードを1枚引いてキックオフカードに連結させるように成果物カードをおいていきます。
成果物カードは場に配置する、1枚のみストックしておく、使えなければ廃棄するという3つの方法で利用します。
そして、全ての成果物カードを引き終えたら(9ターン終了後)ゲーム終了です。
ゲーム終了時点で、最も得点の高いプレイヤーが勝利します。
得点は、要件を満たした数と場に連結させたカードを隣り合わせでおいている数を2枚1点として数えた合計点で競います。
なかなか木の幹に相当する成果物がないので、ブランコを作るのも大変でした。
SEとしてのスキル向上に役立つか
本ゲームを購入した目的は遊びながら、SEとしての要件理解力が向上するようなものなのかが気になったので購入しました。
結果としては、冒頭にも記載しましたがそういう知育的な要素はないゲームだということがわかりました。
単純にゲームに勝つためにどのように相手プレーヤーを妨害しつつ、自分はどのように要件カードの仕様を達成するかを考えるというゲームになります。
実際の開発現場でも利害の違う関係者の意見を調整することや足の引っ張り合いのようなことはおきますので、よく考えられたゲームだとは思います。
一方で、本ゲームをプレイしたからといってSEとしての要件理解力が高まることはありません。
業務中の息抜きという観点で使うには良いゲームだと思います。
要件カードの内容は、IT業界にいれば思わず「くすっ」としてしまうような内容ですので、IT業界関係者には必見です。
まとめ
ゲームをやりながら、SEとしての能力を向上させるという目的は達成されませんでしたが、「顧客が本当に必要だったものゲーム」はIT業界を皮肉る非常に面白いカードゲームだと思います。
アニメ・マンガに「放課後さいころ倶楽部」という作品があり、ボードゲームの世界に少し興味があったので、本ゲームを購入してみたという背景もあります。
自分でこのようなゲームを考えて形にできるって尊敬します。
本ゲームについては知育要素はほとんどありませんが、IT業界の慣習を見事に体現したユーモアあふれるゲームなので、仕事の息抜きにコミュニケーションの潤滑油として使うには良いゲームだと思います。
ただし、あまり勝敗に熱くなりチーム内で険悪な雰囲気を作らないようにする注意は必要ですね。
私は本ゲームを購入して、とりあえずどんなものかと奥さんとプレイしたのですが、はじめたばかりで上手く手加減もできずに勝ち続けてしまい少々険悪ムードになってしまいました。
反省です。
とはいえ、奥さんも私に勝つまでやめないというハマりようでしたので、面白いゲームであるということは保証できますね。
興味があればやってみてください。