Workers Wind

主に私の仕事に関する考え方と自分の知識・スキルを習得するために読んだ本、調べたこと、実施した結果などについて記載しているブログです。

DXよりデジタル化を推進すべき

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最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞かない日がないほど、DX全盛期と言えます。

私が勤務する会社もSIerとしてDXを冠する組織があり、会社としてもDXに取り組んでいくようです。

 

さて、世の中猫も杓子もDX、DXと言っておりますがDXって何なんでしょうか?

以前にもDXについては記事を書いておりますので、DXが何かということはそちらをご参照ください。

 

bookreviewwind.hatenablog.com

 

 

今回は、DXが何かよくわからない人がDX商材にだまされないようにするための考え方についてお伝えします。

 

 

何を何故変えたいのかを考える

もしあなたの関係者がDXが流行っているから取り入れたいと考えているとしたら、「ちょっと待って」とまず伝えてください。

流行っているから取り入れたいということでは、実際にDX商材を取り入れた際に成果をどのように測るかが決められず、なんかDX商材を取り入れたけど、上手くいったかどうかわからないという状態に100%陥ります。

 

DXに限らずではありますが、DXはデジタル技術を利用してこれまでとは違う手法で成果をあげることの総称です。

つまり何に対して成果をあげたいかの目的が定まっていない状態ではDXは絶対に実現しないのです。

以前の記事でも触れていますが、デジタル技術は手段であり、目的ではありません。

なんかDXがいいらしいぞという感覚でDXに取り組むと目的がない状態で手段の検討だけすることになるため、必ず迷走します。

 

目的はないけどDXへの取り組み方

目的は定まっていないがDXに取り組みたいという方もいるかもしれません。

その場合は、自分の周辺のデジタル化の状況を確認してみてください。

たとえば、帳簿をつけるときに紙のノートを利用しているのであれば、とりあえずパソコンを購入してきて表計算ソフトや会計ソフトを利用して帳簿管理をしてみてください。

紙のノートで管理していたときとは違った風景がみえることでしょう。

出退勤簿を紙のノートで管理しているのであれば、タイムレコーダーを設置したり、ICカードを発行してICカードの読み取り装置を設置して出退勤管理をしてみてください。

データ管理を厳格に行えば、厳格な出退勤管理を行えるようになるでしょう。

このような現状紙のようなアナログで行っている業務をデジタルに置き換えることは単純な業務手段の置き換えであるため、DXとは呼びません。

単なるデジタル化(デジタリゼーション)と呼びます。

しかし、デジタル化をしていないところでは現状の状況が、数値化されていないため、感覚値で効果を測っていくことになります。

それではDXの効果を最大化することは難しいのです。

業務のデジタル化を推進していった先にDXがあると考えた方が良いのです。

デジタル化の過程で業務効率化なども実現されて、最終的にDXにたどり着くことができるようになります。

 

DXではなくデジタル技術による効率化でも十分

最終的に自分の業務や自社の業務に変革をもたらせる個人・企業はそれほど多くないでしょうが、デジタル化による業務効率化だけでも十分な効果を生み出すことはできます。

そもそもコンピューター技術は、人のみでは処理できない手順を高速・大量処理することを目的に作り出されました。

様々なITサービスが生み出されてきた過程で業務システムはサイロ化されて、非効率的になってしまった部分が多々あるのが現状多くの企業で起こっております。

つまり、自社のシステム状況を再度見直した上で、非効率的になっているシステム間連携の見直しをしていくことで、恩恵を得られる企業が多くあります。

 

この見直しに相応のコストがかかるため、一時的にRPAで逃げている企業もあります。この対応は、将来的にはRPAの管理コストが膨らむため、やはり全体システムの見直しは必要となってくることを覚えておく必要があります。

どの時点で全体システムの見直しに取り組むかは経営判断となりますが、信頼できるSIerと早めに検討していくことをオススメします。

 

まとめ

DXという言葉には何の意味もありません。

DXは手段であり、目的ではありません。

手段を目的化すると、そのプロジェクトは必ず失敗します。

多くの経営者はこのことに気がついているはずなのに、ことITシステムの導入に関しては何度も同じ失敗をしているようにみえます。

それだけ、一般企業の経営者を煙に巻くIT企業の営業が優れているのかもしれませんが、役に立たないITシステムの導入は将来的にSI業界を衰退させてしまいます。

 

本当に役に立つシステムはSIerだけではつくれません。

 

顧客企業の強力があり、必要な要件を顧客企業とSIerの双方でつめていくことで、役に立つシステムがつくられるのです。

すでに非効率になっているシステムが現存している状況においてはDXを実現せずとも、この非効率部分に着目するだけでもかなりの効果を生み出すことができます。

 

まずは自社内の既存システムで非効率になっているところがないか、デジタル化できる業務はないかを考えていくと良いでしょう。

考えるポイントは時限性がある単純・大量業務がデジタル化には適しています。

 

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