Workers Wind

主に私の仕事に関する考え方と自分の知識・スキルを習得するために読んだ本、調べたこと、実施した結果などについて記載しているブログです。

SIerはそろそろなくなるのではないだろうか。

私が所属している会社の業界・業態には、IT企業、SIer、ソリューションベンダーなどいくつかの呼び方があります。

時代、時代で呼び方が変わってきているのだと思いますが、私が一番わかりやすい呼び方はSIer(エスアイヤー)です。

SIerは、System Integrator(SI)をする人(er)という感じの和製英語なのですが、私たちの仕事は惑うことなくSIなので、SIerという呼び方が私たちの業務を一番的確に表しているなと考えています。

そのSIerは、いい加減なくなるとか以前から言われているのですが、そろそろ本当になくなるかなと思ったので、その傾向についてこのタイミングで書いておきたいと思います。

SIとは

では、SIを私がどのような仕事として捉えているのかいうことですが、様々なシステムをつなげる、統合する仕事だと考えています。

システムとは、コンピューター製品、業務プログラム(アプリケーション)という捉え方もできますが、これは狭義の捉え方だと考えております。

私はこれらIT技術に限定しな業務の仕組み(仕事の流れ)をシステムとして捉えております。

 

SIerの仕事は、仕事の流れを効率化、仕事の効果・影響を最大化するために様々なシステムを整理(設計)して導入・運用する人たちなのです。

 

なぜSIerが必要なのか

こう考えていたときに以下の記事を読みました。

xtech.nikkei.com

経営者に上り詰めた人を含めても我々の世代ではもうほとんど働いている人はいないが、たまに会うとゴルフと病気の話ばかりである。今の60歳以上の世代は、IT部門に所属し自らシステム設計に携わった人を除けば、ITを自分の仕事とは思っていない。IT部門の人たちの仕事という意識しかなく、役員になってもITに興味を持つことはないのであろう。

 日本企業の経営者は、仕事の仕組みづくりには興味があってトヨタのKANBAN方式など世界からも認められている業務の仕組みを考えているのにも関わらずITについては、よくわからないものとして、SIerに任せてきておりました。

 

そのため、SIerを標榜する企業が日本国内では何社もいるのですが、これは日本特有のもののようです。

 

ITをよく知らない人たちとの関係

SIer側からみればシステム(IT)について、よく知らない顧客企業と付き合うことで仕事を得ているのは事実ですが、よく知らない人たちにその効果(価格価値)を説明することは非常に骨が折れることになります。

 

私は営業なので、価格の説明を必ずしますが、これが非常に苦手です。

SIerの提案時点では提案しているシステムは手元にない(目に見えない)ため、すべて机上の説明になります。

最近は、プロトタイプやデモをみせるということもありますが、これもよく知らない人たちに理解してもらうのは大変骨が折れることになります。

 

当然、よく知らない人たちにわかるように説明できない方に問題があるのですが、一方でシステム(IT)に興味がない人たちに興味を持たせるというのは、まず聴き耳を持ってもらう必要があるため、はじめのハードルが高いのです。

 

そして、間違った説明の方向はAI、DXなどの今はやり言葉でよく知らない人たちをさらにわからなくしてしまうということです。

これは、よく知らない人たちがよく知らないのに、よく知らないAIやDXを導入したいというよくわからない依頼をSIerにしてくるということなのです。

 

よく知らない人たちは、自社にはどのような課題があるのかをSIerに相談すればよいのですが、課題が何かよくわからないところで、「AIで何かよくなるんでしょ」みたいなことを平気で言われると、ちょっとどこから説明しようかなと考えてしまいます。

 

よく知っている人たちが出てきた

というような状況ではありましたが、最近日本でも若手の企業がニュースになってきております。これらの若い起業家が起こす会社は仕事の仕組みに完全にITが融合しています。

つまり経営者がITを理解しているのです。

 

顧客企業に営業をしていて、いつも思うことはお客様の中でシステムを開発した方が必ず良いものが安く・早く開発できるということです。(お客様内にITがよくわかり、技術があり、業務がよくわかり、システム開発に積極的な人がそろっている場合)

従って、SIerにはSES(システムエンジニアリングサービス)契約という技術者を顧客企業に常駐させてシステム開発をさせるような仕事があります。

ここで不幸なことはお客様がシステムに興味がないところに置いていかれる技術者です。

上手くお客様とコミュニケーションを取って、お客様の課題を解決できるシステム開発ができれば重宝されることになるのですが、お客様の担当者がシステムに興味がないと外部の技術者を受け入れないというような状況もあるため、技術者にとってはキツイだけの職場になってしまいます。

 

前述したように最近は、ITが仕事をする上では絶対に必要なものと捉えている経営者が増えてきていると感じているので、10年、20年先にはSIerにシステム開発を丸投げにするような顧客企業はいなくなるのではないかと考えております。

 

SIerの今後

ITをよく知らない経営者がいなくなると、自社のシステム部の強化が進んでいくと思いますので、SIerの技術者が顧客企業のシステム部に流れていくと思います。

 

ただ、顧客企業はITについてよく知らない人たちが多いので、技術者はそれを前提に顧客企業に入っていく必要があります。

 

SIerは顧客企業からの丸投げ案件は減るでしょうから、業務の方向性として自社で汎用的な業務システムを開発し、外販することやSESを上手く使うこと、他社開発の業務システムの代理店になるなど、今もやっている仕事ではありますがこれらをどのようなバランスで取り入れて他社優位性を確保するのかということをしっかり考えていかないといけないでしょう。

 

確実にSIerがかつて生業としていた大型システム開発という規模の案件は減っていくでしょうから、私のような営業はこの業界に骨をうずめるのか、別の商品・サービスを売りにいくのか、そろそろ身の振り方を真剣に考えるところに来ましたね。

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