Workers Wind

主に私の仕事に関する考え方と自分の知識・スキルを習得するために読んだ本、調べたこと、実施した結果などについて記載しているブログです。

Excel vs SAS



データ駆動型経営という経営手法があります。

企業経営にとってデータに基づいた判断をしていくことの重要性が取り沙汰されているわけです。

一方で、情報系システムはその効果がわかりづらいため、IT投資予算を削る際には、わりと一番に標的にされる可能性があるシステムだったりします。

その情報系システムの代替として活躍するのがMicrosoft Excelなのです。

今回の記事では、Excelの対抗としてSASというデータ分析ソフトの老舗の名前を出しております。私はExcelは少し使えますが、SASは全く使うことができません。

でも、SASを販売したことはあります。

SASはデータ分析界隈ではあまりにも有名でお客さんからSASを販売してほしいと言われるほどです。

ただ、私のこのブログを読んでいる方はわかると思いますが、SASを入れたところでデータ分析ができるようになるわけではありません。

もちろんExcelを使っていてもデータ分析ができるわけではありません。

データ分析をするには、データ分析とはどのようにやるのかがわからなければできません。

ExcelもSASもデータ分析をするための道具でしかないため、各々のソフトウェアを持っていても、データ分析自体の知識とスキルがなければデータ分析はできないのです。

 

従って、Excel vs SASという記事タイトルにしておりますが、どちらも利用者のデータ分析スキルによってデータ分析ソフトの優劣は変わります。

優秀なデータサイエンティストであれば、Excelでもそれなりの成果を上げてくれるでしょう。

ただ、Excelには扱える行数制限がありますが、SASは大容量のマシンスペックを用意していれば、Excelよりも多くのデータを扱うことが可能です。

また、SASではデータを読み込ませた時に当該データの特徴を自動で判別する機能があります。

私の知り合いのデータサイエンティストにExcelとSASを比べた際に一番特徴的な機能差は何かと聞いたところこの機能について教えてもらいました。

データ分析は、分析するデータの前処理をすることに多くの時間を費やします。

集めたデータを加工して、分析しやすい状態にすることに時間がかかるのです。

SASの特徴であるを読み込んだデータの特徴を自動で判別する機能を使うことで、この加工にかかる準備時間を短縮することができるのです。

この機能は、読み込んでデータの項目毎にデータの傾向値をある程度表示してくれたり、データの長さや型を推測してくれたりします。このデータの傾向値を自動でみてくれるのを初見のデータで処理してくれるのは非常に便利です。Excelでやろうとすると各項目に対して、関数で傾向値を確認していく必要があるため、項目の数が多ければそれだけ時間がかかります。

 

という機能がSASにはありますが、初めからデータ分析ができる状態のデータが用意されていて、扱うデータ量もそれほど多くない時には、ExcelでもSASでもできる分析に大きな差はないと考えることもできます。

 

データ分析において重要なことはツールによらない分析知識・スキルを保持しているかというのが第一です。

ただ、分析ツールが重要ではないということではありません。

ツールがはじめから用意している計算ロジックを駆使することは分析にかかる時間を削減する上でとても重要です。。ツールは時間を買うことと同義なのです。

 

データ分析をするには、自分に必要となるデータ分析がどのようなものであるかを定義して、その目的にあったツールを選択する必要があるということです。

必要なデータ分析が何であるかがわからないうちは安価に利用できるExcelはデータ分析の入門ツールとして非常に優れていると言えるでしょう。

 

ただ、定常的にデータ分析をするのであれば、SASのようなサーバサイドでのデータ分析ができるツールを導入することを検討すると良いでしょう。

Excelで同様なことができないわけではないですが、システムの重要性や稼働要件を考慮して扱うツールは選択した方が良いです。

 

Excel vs SAS という記事タイトルにしましたが、ツールの優劣は単純には決められません。

伝えたいことは、データ分析において重要なことは、ツールではなく何のためにデータ分析をするのか、データ分析はどのようにするのか、そして、そのデータ分析を一番効率的にできるツールは何かということを考えることです。ここまで考えると、その目的に対応してツールの優劣は決まるということです。

 

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