それなりに大きな規模の会社や歴史のある会社になると古くからいる従業員しか知らないような手続きや情報などの暗黙知が増えてきて、問題意識を持つようになってくることでしょう。
私が勤めている会社の中にも暗黙知が多くあるように感じています。
暗黙知に出会った時にどうするかと言えば、知ってそうな人を探して確認するということをしています。
そして、考えるのです。
なぜ、この情報はどこにも記載がなかったのかと・・・
そうです。この知らないことを知っている人に聞いたタイミングでどこにも確認した内容を残さないため、情報は暗黙知化していくのです。
というわけで、今回は暗黙知を形式知にかえるための工夫について記載いたします。
とりあえずアウトプットすることが大事
既に記載したとおりなのですが、自分が知らないことを知ったタイミングでどこかに知ったことをメモしておくことが暗黙知を形式知にかえるための第一歩になります。
会社としての情報とするためにはもっと情報の内容を洗練させるべきだとか、しかるべき手続きをとるべきだとかといった面倒なことは横置きにして、とりあえずアウトプットするのです。
まずは、自分が知らなかったことを知ったタイミングで、自分なりにアウトプットしておきます。
その後に、社内で情報共有するような手続きがあるのであれば、その手続きに乗せれば良いのです。
アウトプットしておかないと忘れる
知らなかったことを知ったタイミングでアウトプットしておかないと、自分の用事は済んでしまっているので、忘れてしまうことの方が多いでしょう。
自分が知らないことは実は他の人も結構知らないという考えを持って、調べたことや聞いたことをアウトプットしておくことで、忘れることを防止します。
そして、後で情報共有を行い易くするのです。
また、実は情報を共有しようと考えて後から自分が知ったことは社内のマニュアルに記載があるということが発覚することもあるでしょう。これは自分の探し方が悪いということではないのです。
使いたい時に見つけられないマニュアルが悪いという発想も必要です。
このような場合には、何故自分はそのマニュアルをみつけられなかったのかを考えて、見つけられるような工夫を考えると良いでしょう。
きっと誰かの役に立つはずです。
自分から動くことが大事
実際に仕事をする上で自分が困らなければ良いという考えもあるでしょう。
しかし、会社全体でみれば会社の誰かが困っていることは巡り巡りって自分の仕事の効率を下げることにもなります。
組織で仕事をしている以上は、自分だけが良ければ良いという考え方では全体最適が図れません。
自分の会社は情報共有がされないと嘆いているのではなく、前述した方法で自ら情報共有をすることによって、自分と同じように動いてくれる同僚が出てきます。
みんな誰かの役に立ちたいと思っているのです。
自分が情報共有をすることによって、誰かの役に立っていることを周りからみている人が、同じように動いてくれるのです。
ただし、このような良い循環が起こることを期待して情報共有をするのは良くありません。期待が大きいとすぐに成果を求めてしまいますが、このような活動はすぐに結果が出るものではないため、自分が良いと思うことをすればよいのです。
情報共有作業にはそれほどの時間は取られません。自分で知ったことを整理して残しておくことがプライベートフォルダではなく、会社内のパブリックフォルダというだけなので業務の負荷は変わりません。
自分で業務の効率化をするために業務マニュアルの整備やショートカット集の作成を通常業務の延長で行っていないと作業負荷は増えるかもしれません。
しかし、自分の業務を効率化することを普段からやっている人であれば、前述したように自分のためだけの場所ではなく会社内の共用エリアで作業をするだけで、情報共有ができるようになりますので、業務負荷は変わりません。
会社側もこのような考えで情報共有環境を整備しておくと良いでしょう。
まとめ
長く会社が存続していたり、大きくなると会社内には暗黙知がどうしても増えてきます。
この暗黙知を形式知にかえるのは想像以上に難しいです。
しかし、難しいからといって何もしないのでは何も良くなりません。
行動からでしか改善はされないのです。
従って、まずは現状の状況が良くないと思った人から暗黙知となっていた情報を知ったタイミングでアウトプットしていけばよいのです。
そうすることにより、追随者が現れて将来的には良い流れができることになるでしょう。
ぜひ自分のためだけではなく、全体をみて仕事をしてみてください。
きっと好循環が生まれます。