Workers Wind

主に私の仕事に関する考え方と自分の知識・スキルを習得するために読んだ本、調べたこと、実施した結果などについて記載しているブログです。

システム導入の目的はコスト削減

今回の記事のテーマはシステム導入する目的はコスト削減であるという話です。以前にも同じテーマの記事を記載していますが、大事なことなので再度書いておきます。

 

bookreviewwind.hatenablog.com

以前の記事では、コスト削減と売上拡大の2つがシステム導入の目的になり得るということを書いていましたが、今回はあえて目的はコスト削減ただ1つだと主張します。

 

まずなぜ売上拡大が目的にならないかについてですが、売上というのは実際には自分でコントロールできるようなものではないからです。

前回記事では、ネットショップを運営していない実店舗のオーナーがシステム導入することによりネットショップを開業すると販売チャネルが増えて売上増につながるという話を書きました。販売チャネルを増やすことにより顧客接点が増えるので売上増につながると考えますが、実際にはネットショップ側の顧客流入量は読めず本当に売上増につながるのかわかりません。

つまりシステム導入により販売チャネルを増やすことはできますが、これにより確実に売上増につながる保証はないですし、売上をどの程度向上させるという目標数値を達成させることは運によるところが非常に大きいのです。

顧客をコントロールすることはどんなシステムを導入してもできないため、システム導入の目的を売上拡大とおいても絵に描いた餅になることの方が多くなります。

従って、システム導入の目的として売上拡大は不適切なのです。

 

では、システム導入によるコスト削減は実現可能な目的でしょうか。

これはどうような業務のコスト削減を実現したいかという対象により結果は異なりますし、また対象業務の現状分析の正確性により数値目標の達成度合いも変わりますが、売上拡大よりも確実に成果を上げることが可能です。

 

コンピューターは人が処理できない量の計算をするために発明された機械であります。つまり対象業務がコンピューターが得意とする大量計算を伴うものであり、現在従業員がコンピューターを利用せずに当該業務をしているのであればシステム導入することで確実に人がやっている業務量を削減することができるのです。

ここでは業務量を削減しただけであり、働いていた従業員を解雇しない限りは給料が発生してしまうため、コスト削減にはならないという考えもあります。しかし、ここは以前の記事でも記載しているとおり削減された業務に従事していた従業員は別の業務を実施して成果を出してもらうのと人よりもコンピューターシステムの方が大量処理ができるため、追加の従業員を雇用せずに業務処理量が増えたことをコスト削減と考えることができます。

 

システム導入を検討する際にはシステム導入対象の業務に従事している従業員の維持に掛かるコストとシステム導入・運用に掛かるコストを実際に処理したい業務量を基に比較できるようにした方が良いです。

人がやっていた単位時間あたりの処理量とコンピューターシステムが処理する場合の単位時間あたりの処理量は大きく差があるので、処理したい業務量の最大値でのコスト比較をしましょう。

当該業務が実はコンピューターシステムを必要とするほどの処理量を必要としていない場合はコンピューターシステムを導入する必要がないということなので、求める業務の処理量をみることは重要です。

 

コンピューターの利点を理解した上でシステム導入を検討するというのが一番良いのですが、なかなかこの利点を理解するのが難しいために的外れなシステム投資をしてしまうということがなくなりません。

 

別にシステム会社はお客さんが求めるシステムを導入するだけでも一時的には仕事になるのですが、お客さんの役に立たないシステム導入をしているうちは、本当の意味でお客さんや社会に貢献しているとは言えません。またシステム導入したけど効果が出なかったとお客さんに言われて次の仕事につながりません。そう考えるとシステム導入の目的が何で、その目的は本当にシステム導入だけで解決するのかということはお客さんもシステム会社も共有した上で目的達成の実現性の検討を十分に行うべきです。

 

このようなことを考えていたので、今回はシステム導入の目的から売上拡大を外しコスト削減に絞りました。売上拡大は顧客をコントロールできない以上、システム導入だけではどうにもなりません。コスト削減もシステム導入だけでコントロールできない部分はありますが、システムの効果範囲を見定めることはできますのでその効果範囲における効果検証をしっかりとすれば良いのです。

コスト削減であれば、システムは大得意であり、本来はもっと処理をしたかったが人がやっていたために限界があった処理量を大きく上回ることもできるのです。

今やコンピューターを利用しない会社はないと言っても過言ではないでしょう。

コンピューターシステム需要は今後もますます高まっていきます。

だからこそコンピューターの特性を理解して適切に利用できるようになることが会社の将来を明るくするのです。

 

にほんブログ村 IT技術ブログ ITコンサルティングへ
にほんブログ村

【スポンサーリンク】