Workers Wind

主に私の仕事に関する考え方と自分の知識・スキルを習得するために読んだ本、調べたこと、実施した結果などについて記載しているブログです。

システム開発には費用がかかる

システム開発会社の営業をやっているとお客さんから、システム開発費用をとにかく安くしてほしいというような話を毎日のように聞くことになります。

私は自分自身でシステム開発をしない(できない)ので、お客さんから「なぜ、こんなに費用がかかるのか?」と問われるとその説明に困ることが以前はありました。

 

現在は、かかるものはかかりますという説明をしつつ、予算がなければ発注していただかなくてもかまいませんと内心では思いつつ、申し訳なさそうに予算確保をお客さんに依頼します。

 

当然、お客さんは私の会社だけでなく別のシステム開発会社にも提案・見積もり依頼をしていて、安い会社に発注することになります。

 

営業は、お客さんの予算の状況と競合状況、そしてその案件を受注できなかった場合の自社への影響などを考慮して、価格設定して提案するのです。

 

自社のサービスに自信があれば強気な価格設定もできるのですが、私は正直自社のサービスに自信を持っておりません。

従って、価格設定に困ることになるのです。

 

お客さん第一と言いつつも、自社の収益を上げないことには自分の成績を上げることができないため、今は予算が合わない交渉をすることをやめることにしたのです。

 

予算を確保するのはお客さん側の仕事であり、営業側の仕事ではないのです。

ただし、お客さんが予算を確保しやすいように自社のサービスに関する説明責任は果たします。

つまり自社サービスの費用説明はしっかりとさせていただきます。

 

多くのシステム開発会社はシステム開発の工数により費用算出して、お客さんに提示します。

建物を建てる際と同じような考え方です。

 

要は、作業量かける作業要員の時間単価が提示費用となります。

これ以外にシステムを稼働させるために、ソフトウェアやハードウェアが必要であれば、それらの費用も見積もります。

建物の部材を含めるのと同じですね。

 

これ以外の価格設定方法に、当該システムを導入した際にお客さんにどれほどの金銭的メリットが発生するかを検討し、その収益を按分するようなリベニューシェアという費用提示方法もあります。

しかし、私の勤務する会社ではリバニューシェア形態での費用提示実績はありません。

 

システムの価値について、日本企業ではなんとなくわかっていても、システムは難しいものというイメージで多くの経営者が深入りしてきておらず、本当の意味で効果的なシステム投資をできていない状況にあります。

 

一方で、システムをベースに業務を構築しているAmazonは業種としては小売業の分類に入りますが、いまや莫大なプラットフォーム企業に成長しております。

それほどシステムを有効に活用することの影響度は企業経営にとって有益という結果がでております。

 

システムの価値を考慮した適切なシステム費用予算を検討できるユーザー企業が増えるか、ユーザー企業が自らシステム開発を本格的に取り組みはじめるのか、いずれにしても私のおかれている業界は世の中に大きなインパクトを残す節目に入ってきていると感じております。

 

最近増えてきている市民開発者の存在は、今後の私がいる業界の脅威に確実になってからと思いますが、システム開発は経験則にもとづくものが確実に必要であるため、その点を考慮していただき多くのモノを知らない経営者にはIT業界の開発者の価値を軽んじないでいただきたいですね。

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