Workers Wind

主に私の仕事に関する考え方と自分の知識・スキルを習得するために読んだ本、調べたこと、実施した結果などについて記載しているブログです。

ムーアの法則を意識したサービス設計

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IT業界の有名な法則にムーアの法則というものがあります。

ムーアの法則とは、インテル創業者の一人であるゴードン・ムーアが1965年に提唱した「半導体の集積率は18ヶ月で2倍になる」という半導体業界の経験則であります。

実際に、IT業界の技術革新はムーアの法則に支えられて発展してきたと言っても過言ではないでしょう。

 

このムーアの法則は、単純に2年弱で半導体の集積率が2倍になるという表面的な話ではなく、2年弱で半導体の性能は同じコストで2倍になるという考え方ができます。

実際に、私が一番はじめに購入したWindows95端末から比べると現在利用しているWindows10端末の処理速度は比較にならないぐらい速くなっております。

この間は実に25年ぐらいですが、当時30万円以上したPCは今では15万円以内ぐらいでかえる感覚です。

また、現在Windows10端末で利用しているソフトウェアは、当時のWindows95端末ではOSの制限を考えなくても動かすことができないぐらいのものになってきています。

(動くものも当然ありますけどね。)

 

そんなムーアの法則の恩恵は半導体業界だけでなく、半導体を利用するハードウェアの性能を向上させるのにも当然役立っており、IT業界で利用するハードウェア全体の性能をムーアの法則のごとく今も押し上げているのです。

 

一方で、ハードウェアは5年で1サイクルのような形でユーザ企業が頻繁に買い換えるようなものではないのですが、ムーアの法則で考えれば、3サイクル分の処理性能を買い逃すことになるということですね。

 

まぁ、確実に18ヶ月で性能が倍になるということでも厳密に言うとありませんが、ハードウェア性能が今でも上がり続けているのは事実ですし、それに呼応するようにネットワークの伝送スピードも上がってきています。

また、コンピューターで利用するハードディスク等のストレージ装置が扱えるデータ量も増えています。

 

技術革新は止まっていないのです。

 

このような背景を考慮すると、新たに企画・開発する商品・サービスなどは、業界のハードウェアの成長スピードも考慮して検討すべきということになります。

現在のハードウェア性能・ネットワーク性能を補うようなサービスを提供している場合には、前述したように早晩これらの性能不足は技術発展により克服されてしまうということです。

一時的に販売できれば良いサービスであれば、特に将来の技術革新は気にする必要はないでしょうが、継続的に販売していくサービスであれば、技術動向は気にしておく必要がありますし、技術の発展に併せてサービスレベルを上げていくことで市場優位性を維持・向上しておく必要があるでしょう。

 

ただし、ユーザーがどこまでのサービスレベルを真に求めているのかをしっかりと把握しておかないと技術発展に伴いサービスレベルを成長させたとしても、そのサービスレベルを求めるユーザーがいなければ、結局当該サービスは廃れてしまいます。

 

ソフトウェアの力により、サービスレベルを上げていくことはできます。

ただし、ソフトウェアレベルで実現できるサービスレベルとハードウェアレベルで実現できるサービスレベルとでは安定感はハードウェアレベルで実現するサービスレベルの方が上だと私は考えています。

ハードウェアとソフトウェアは切っても切れない関係のため、どちらが上という議論は若干不毛ではありますが、その時々の技術検証は必要になってきます。

 

以上のようにIT業界でサービス企画・開発の検討をするのであれば、どこに訴求したサービスなのかを考える必要があります。そして、自社のサービスがハードウェアの性能不足を補うようなものであれば、そのサービスの将来性はあまり明るくないということを意識しておくべきでしょう。

性能差で勝負するのは、価格差で勝負するのと同じようにたたき合いになりやすいということを意識しておくと良いでしょう。

 

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