今時のパソコンは、スペックもそれなりに良いものが安く手に入るであまり神経質にスペックを眺めたりしない人が増えているかもしれません。
企業活動において要件を意識せずにパソコンを調達してしまうと結果的に業務の生産性が低下して余計なコストに発展する可能性があります。
そこで、私は営業としてお客様にパソコンを販売することもありますので、いくつか私がこだわっているポイントを紹介します。
業務用にパソコンを購入しようと考えている方の参考になれば幸いです。
どのように使うかを考える(形態とサイズ)
パソコンの調達というとCPU、メモリ、HDD(SSD)などのスペックを意識することが多いと思いますが、私がまず考えるのはどのようなシチュエーションでパソコンを利用するのかを確認します。
自分のデスクのみで利用するのか、持ち運んで利用したいのか、その両方か。
デスクで利用する場合はデスクの広さはどの程度確保されているのか。
などなどの利用シーンを確認した上でデスクトップPCがいいのか、ノートPCがいいのか、タブレットPCがいいのかなどの調達するパソコンの形態をまず絞り込みます。
そして、利用シーンに沿った形態に絞り込んだ上で、さらにサイズを確認します。
スペックも重要なのですが、利用シーンに合わない形態・サイズのパソコンを調達してしまうとスペックとは関係なく使わなくなってしまうので、この点をはじめに確認することにしています。
この傾向が顕著な例は持ち運びをするために調達したノートパソコンもしくはタブレットPCのサイズが大きくて重いと結局持ち運びをしなくなり使わなくなるのです。
他にもデスク専用で使うためにデスクトップPCを購入 したもののサイズが大きすぎてデスクにおけず場所を広く確保する必要が出てしまったなどの例もあります。
せっかく調達するパソコンをしっかりと使ってもらう上で利用シーンを想定した絞り込は重要です。
スペックは余裕をみた方が良い
利用シーンを想定して調達するパソコンの形態とサイズを絞りこむとそこから選択できるスペックが大体決まってきます。例えば、小さいパソコンはそれほど高性能にはなっていません。
とはいえ、どのような業務アプリケーション(ソフト・サービス)を利用するのかを次に確認してスペックを絞り込んでいきます。
メーカー製のソフトウェア(Microsoft365など)であれば推奨スペックがメーカーのHPなどで公開されているので、最低限この推奨スペックを満たしたパソコンを選定します。自社開発のソフトであれば、開発した会社や自社のシステム担当者に推奨スペックを確認した方が良いでしょう。
必要なソフト・サービスの洗い出しをすべて行い、それらの推奨スペックをまとめた上で最上位スペックのパソコンを購入するのが最適です。
ただし、ソフト・サービスを同時に利用する場合には各ソフト・サービスの単体の推奨スペックよりは余裕を持たせたスペックにしておくべきでしょう。
万一選択できるパソコンが推奨スペックを満たさないようであれば最低限メモリ容量は満たすようにしましょう。
企業の取引であれば選定中のパソコンを検証用に借りられる可能性もあるので、仕入れ先に相談してみるのが良いです。
ただ、パソコン販売は利益率がすこぶる低いため多くの販売会社も在庫をかかえておらず最近は検証用にレンタルできる販売会社はほとんどいないでしょう。
実機検証ができない場合には形態・サイズの優先度を下げてスペック重視でパソコンを選定するしかなくなりますので、注意です。
その他要件を確認
利用シーンと利用ソフト・サービスからパソコンの形態・サイズ、スペックを決めていくことができます。
しかし、これだけでは確認は足りません。
確認事項としては、利用シーン、利用ソフト・サービス以外に、企業内で利用するためには外部記憶メディアとはデータ授受ができないようにしたい、Wifiは利用させたくない、カメラ機能はいらない、などなど個別要件が会社毎にあります。
そういった要件もおさえた上でパソコンだけでなくその他要件を満たすためのソフト・ハードを利用することも考慮に入れる必要があります。
この際には当初選定していたパソコンで、その他要件を満たすソフト・ハードを利用できる仕様のパソコンかも確認が必要です。
まとめ
パソコンは私が社会人になった時(20年くらい前)から比べるとそのスペックの向上とは逆にかなり安価に購入できるようになりました。
そのせいかあまりパソコンのスペックを意識せずに購入している方も増えてしまっているのではないかと考えております。
先に説明した利用シーンや利用ソフト・サービスを意識せずに要件を満たしていないパソコンを購入してしまうと業務の生産性は著しく低下してしまいますので、パソコンを調達するにしてもしっかりと要件を意識した上で調達することをオススメします。
要件に合うパソコンが予算を超過していたとしても、予算にあわせて要件を満たさないパソコンを調達して利用することと比べて、要件に合うパソコンの方が結果的に業務の生産性が向上し、予算超過を埋め合わせてくれる効果を発揮するでしょう。
会社でのパソコン調達は予算ありきで考える必要がありますが、業務の生産性を意識した上でしっかりと要件を満たしたパソコンを調達できるといいですね。